食べ物の好き嫌いへの対応
子どもが好き嫌いをする理由
人の舌には味を感じるセンサー(味蕾・みらい)の数は子どもの頃に発達しますが、大人になると3分の1までに減ってしまうそうです。つまり、子どもは大人よりも味覚が敏感なので、好きな味、嫌いな味をより強く感じてしまい、苦手な食べ物を拒絶してしまうのです。
また、子どもの好きな味・嫌いな味には理由があり、自分の成長に必要なものを感じ取っています。
子どもの好む味は本能的に生命に欠かせないものです。
- 甘味:エネルギー源
- 塩味:体に必須なミネラル
- うま味:タンパク質
それに対して、嫌う味は本能的に拒絶するもの。
- 酸味:腐った食べ物を意味する
- 苦味:毒であることが多い
- 辛味:痛みとして感じる
子どもが甘いケーキやジュース、塩味のスナック菓子を好み、苦みのある緑黄色野菜や酢の物を嫌うのは自分を守るためなのです。
妊娠中や授乳中から味を教える
味蕾はまだ胎児である妊娠三か月くらいから働き始め、赤ちゃんはおなかの中では、胎盤を通じてお母さんが食べたものの味を感じることができます。赤ちゃんの好き嫌いを調べる実験で、妊娠中、出産後にニンジンジュースを飲んだ母親、出産後にニンジンジュースを飲んだ母親、ニンジンジュースを飲まなかった母親、それぞれの赤ちゃんでニンジン嫌いが一番少なかったのが、妊娠している時からジュースを飲んでいた母親の子どもだったそうです。
知らない新しい味に対して子どもは警戒しますが、お母さんを通じて経験した味は「安全である」として受け入れられると考えられているので、子どもの好き嫌いを少なくするために、妊娠している時や授乳期に母親が色々な食べ物を摂ることが理想です。
楽しい食事時間を心掛ける
子どもは経験や成長によって、それまで受け付けなかった食べ物のおいしさもわかるようになります。
子どもが食べないから、といってピーマンやニンジンを食卓に出さないままでいると、いつまでたっても子どもが味の経験を積むことができず、好き嫌いが改善されません。
例えば大人が目の前で「おいしいね」と会話しながら食べて見せることで、子どもが興味を持ち、食べてみたくなるようにするなど、楽しい食事の経験を通じて好き嫌いを減らすことができます。
あせらず、気長に対応する
毎回食べてくれないものを料理するのもつらいものです。特にこだわりの強い子どもの場合、なかなか新しい味を受け入れてくれませんが、気楽にあせらないことが肝心です。
食べることを強要すると、食事自体がプレッシャーになり嫌な体験になっては逆効果です。たまには外食や、買ってきたお惣菜を利用するなど、味付けを変えることで食べてくれることもあるかもしれません。
すぐには食べられなくても、幼稚園や小学校の給食などで食べられるようになる子も多いです。長い目で子供の成長を見守るように心がけましょう。
参考
好き嫌いを無くすためにたいせつなこと | Kidshug~キッズハグ~
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